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オシポフ健在!

f0085167_9203147.jpg行ってきました。いやぁ、素晴らしかった!この間聴いたのはたしか1985年の頃だから、もう随分前のことです。随分年月が経ったので、何らかの影響が及んだのではないかと心配したりもしていましたが、健在でした。残念だったのはメンバーが少なかったこと。でも、精鋭メンバーだったのではないかと思います。まるで魔法をかけられたかのように、そのファンタジーワールドにみるみる引き込まれていきました。デュナーミックレンジの幅の広いこと!音色の多彩なこと!緻密に磨きぬかれた技術水準。繊細な表現。それは、押したり、引いたり、こちらはただもう引き回されるばかりです。そして、なんといっても底抜けに楽しい!それで、かっこいいですね。ビシーッと引き締まったものがあって、圧倒的。音楽の遊びがあちらことらに現われて、音楽を聴いたというよりは、サーカスかフィギュアスケートでも見ているような感じでした。こうなると完全にショーかエンターテインメントのようなものです。プログラム構成がまたすばらしい!たしか1985年のときは、半分くらいが歌でしたが、今回は、もっぱらインストルメンタルで、このオーケストラのあらゆる可能性が存分に発揮されていました。マンドリンと同じようなトレモロの楽器なのに、どうしてこんなことができるのだろう?ほんとうに不思議なことですが、音楽的な素養、生まれ、育ち、食べるもの、言葉、気質、気候、もうあらゆるものが音に成って現われてくる感じです。「ぼくたちの音楽はこれです!」みたいなものが全員一丸となって発揮されています。そして、おそらくこれは間違いないことだと思いますが、相当な練習と場数をこなしてきた成果の現れに違いありません。決めの音、絶対のがしてはならない音、そこがビシッと決まっています。トリプルエクセルクリアーみたいに、じつに爽快です!単なる技術ではなく、スピンして着地する瞬間の形っていうんでしょうか、ただ指が回っているだけではないんですね。指が回るということはどうでもいいことではありませんが、そこに表現が加わって、一つ一つの音がしっかりコントロールできていること。はっきり言って、ぼくは、いままでこのようなレベルのマンドリンの合奏は聴いたことがありません。おそらくいまのような怠惰な環境ではあり得ないでしょうね。それくらい、トレモロの楽器は「コントロール」が難しいっていうことだと確信しました。ただ、うれしいことは、ここまでできる可能性があるということに具体的に接することができるっていう幸せ!うーん、凄いなぁ。ほんとうに凄い。たった20人くらいしか居ないのに、もの凄い迫力です。つまり、迫力とは相対的なものによってかなうということ。絶対的なものではありません。ほんとうのクライマックスは怒濤のように音が押し寄せてくるようでした。
あぁ、剣の舞!そうかぁ、こういう曲だったんだぁ。なんていうか、音楽とはそもそも難しいものではなく、なるほど、これはまさしく戦いに出かける音楽なんだなぁと、思い知らされました。そして、隅々にまで行き渡っているものがあります。1人1人が全体でなにを表現しようかっていうことを考えています。自分の楽譜の世界だけで何かをしようというのではありません。まるで、ひとりひとりがスコアをみながら演奏しているようでした。
f0085167_9211472.jpgそれにしても、残念だったのはお客さんが少なかったことです。どうして?これは、明らかに招聘側の落ち度ですね。凄く心配したのは、もうこれっきり日本には来ないのではと思ってしまたのでないかっていうことです。そう思うといてもたってもいられなくなったので、演奏が終わったらまっ先に楽屋に飛んでいきました。「関係者以外はご遠慮願います」とか声をかけられましたが、そんなことはどうでもいいことです。猪突猛進、ここ主催者にバリゲードは突破するためにあるようなものです。なんとしてでも、この感動の気持を直接ぶつけなければ!もうその危機感だけです。女性の楽屋は着替え中だったので、男性部屋に飛び込みました。さっそくバヤン(ロシアのアコーデオン)奏者のディミトリー・デミトリェンコ氏が大きな身体をゆらゆらさせながら、ネクタイをほどいていました。どうせ、言葉は通じないと思ったので「Fantastic! Just Excellent!」と叫んでもう何も考えずに抱きつきました。向こうも嬉しかったのか、握手を交わしました。あの、最長老(たしかステージでは50年と紹介されていました)のバラライカの名士を紹介してほしい!と頼んだら、すぐそこに、パンツ一枚になっているではありませんか!顔をくしゃくしゃにして、おじいさんがぬーっと立っていました。すかさず古いメロディアのレコードのジャケットを取り出して、「写っているか?」と尋ねてみたら、たいそう喜んで、探して指差してくれました!尊敬するウラジミールヤコフレフを知っているかと尋ねたところ、いまはモスクワにいるとのこと。終曲だった「行商人」で素晴らしいソロを披露してくれたバヤンのヴァレリー・チェルニンコ氏も寄ってきて、「ぼくはここにいる」と指差してくれました。みんな気さくな方ばかりで、指揮者の楽屋に行きました。なんて言ったかは覚えていませんが、賛辞を伝えたあと、ジャケットを見せると、おもむろにオシポフの歴史を綴った本を持ってきて「おまえにやる!」と渡されました。オーケストラ全員の顔写真が乗っていて、まるでプレソのパンフレットみたいでした!創設以来の歴史が貴重な写真とともに書き綴ってありました。ここで、写真を1枚とってもらいました。そして、必ず来年また来て欲しい!今回はお客さんが少なくてほんとうに申し訳なかった。次回は全員で来てください!とお伝えしました。
そもそも意味不明だったのは前座の30分。オシポフを聴きに来たのに、なんで他の演奏を聞かされなければならないのか、まったく不可解でした。それも、延々と演奏を続けるのだけれど、いったいどうしてあぁなったのでしょうか?しかし、オシポフの演奏が始まったら、すべてどこかへいってしまいました。

2007年11月2日

ゆう
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by pleso | 2001-11-03 09:14 | ◇Pleso yuyu Life
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